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プロローグ


九十九湾▲▼釣り竿
海だ〜
(2002.08.23-25)
大好きな海へやってきた、石川県能登へ来たのだ。義父が産まれた町、この海を見ていると義父をどうしてこの海へかえしてあげられなかったのか、ちょっと悔やまれた。東京から長野県を経由して富山県へ入り日本海の向こう側に能登半島を見るとくっと胸がつまった。
義父がたまに大阪弁の中に能登弁をまじえて能登の話をしてくれた。とっくに亡くなられたお父さん、お母さんのこと、そして兄、妹のこと。
私は能登に一度も行ってもいないうちから好きになっていくのがわかった。結婚して1年後、初めて義父の生家に行ったとき、親戚の方々からものすごいおもてなしをされた。素朴な皆さん、食べ物もものすご〜くおいしくって、もっと近ければな〜また来たいな〜と思ったものだ。
それから20年、やっぱり海といえばこの能登の海を連想してしまう。
美しくて、町そのものがやさしくて‥、無理は重々承知しているが住みつきたい。
もし私が主人と結婚をしていなければ、当然だが、主人のお父さまには会っていない。とするとこんな奥能登にまで来ることはなかったろう。
私とは一つ間違えば、縁もゆかりもなかったはずのこの地‥。不思議なことに第二の故郷という気がしてならない。
いつだったか主人と冗談で、私が老後ボケたとき、ろくに知りもしないこの能登のことを自分の生まれ故郷みたいな顔をして懐かしんで誰かに話していたりしてねっと笑ったくらいだ。
土地との縁、人との縁、とても神秘的な感じさえする。
それにしても、もし主人と出会っていなければ私は本当にこの町に来なかったかなぁ。
あー、もしかしたら主人の父の愛人にでもなって、お忍びでたずねて‥‥来るわけないか。

釣りだ〜

若旦那である息子がかねてから希望していた魚釣りをした。
主人がインターネットで、魚つりができて釣った魚を調理してくれるというありがたい宿を探してきてくれた。全くの初心者でも必ず釣れるという。
宿のエレベーターで地下に下りて手掘りの洞窟を進むと、洞窟風呂と藁葺きの別荘(食事をする所のひとつ)、そして「釣り桟橋」。半信半疑で教えられるまま仕掛けを取り付け、釣り糸をたらす‥。


釣れること釣れること、本当に面白いくらい釣れる。シマダイ、ウマズラハギ、あじ、メジナ、さより‥‥。
夜、から揚げにしていただいて食べた。「うんめ〜!!」(食べきれない分は腹ワタを出し冷凍してくださったものを持ち帰った。すっかりお世話になり宿の皆さんには感謝感激)
この釣り場にはすっかり人になれてしまったという「アオサギ」がいる。私たちの釣った魚がバケツの中ではねるので食べたくって仕方がないという表情、かわいいったらない。わざとじっとして動かずにいると、そろりそろりと近づいてきて‥とうとうバケツの中の魚を一匹食べちゃった。
この後もスキをみては食べようとするので、時々釣れた魚を投げてやったりして私たちの方が鳥に遊んでもらっている気分で楽しませてもらった。
磯だ〜
宿の周りは入り江になっている。
お盆も過ぎ、波も高くなっていたし、満潮ということもあり、足を浸けてチョット水中散歩、気持ちい〜い。あ〜、本当にいい気持ち。風、海、空。最高ぉ〜と叫びたくなる。


このすぐ近くにオヤジさんと娘さんがやっておられる小さな食堂がある。コントなどに使われそうな小さな食堂だが、ここの焼きイカがものすごーくおいしい!!。
ほんの数時間干して、まだ半生状態のイカをサッ焼いてお醤油をサッとたらし、一味とマヨネーズで食べる。
「むっちゃくちゃ うんめェ〜!!」あんまり沢山食べては夕食に差し支えると思うのだが、ついつい手がのびる。結局、昼食以外に三人で2枚をペロリと食べてしまった。



私達はこの短い旅行中、とてもおいしいご馳走をいただいた。なにしろこの「食」というのが旅行の楽しみの半分は占めるのではないかと思うほどだ。
なのに、いやだからというべきか、「食事」を目の前にしたとたん、何もかも忘れ無我夢中‥。写真を写すことをすっかり忘れてしまっていた。よく食べた〜、まさに食いだめ、遊びだめの夏休みだった。
この項終わり
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