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> 二人三脚 2002年 > 第29号(8月20日)
突然子ども達が“部屋を入れ替わる”と言い出した。突然といっても以前から交代したいと言っていたので(とうとうやるの?)という感じ。ただし今は真夏である「この暑いのに、本当にやるの?」思わず口をついて出てしまった‥‥。
8月3日(第1日目)
(移動したいけれど無理だろうなぁ、でもせめて部屋の中での模様替えくらいはしたいんだよな〜。それさえもかなわぬ夢だろうな〜。)と思っていた息子は、主人の協力と娘もYesと答えてくれた事でガゼン張り切った。
“かなわぬ夢”と思っていたのには理由がある。彼の部屋には“恐ろしく手の込んだ複雑この上ない主人手製の棚”があったのだ。この棚をそっくりそのまま移動させられない。ということは、中身の収納ができない。
棚の移動に関しては主人が「ばらせばいいよ」と、あっさり協力を承諾してくれた。中身は入らなければ処分。と自分が決断できた。以上の事で“かなえられる夢”となったのだ。
誰でも“かなえられる夢”の為には具体的に動く。主人と息子があれこれ計画をたてている。私は息子がすっかり主人の右腕になっている様子をたのもしく、ただ見ていた。早い話が私の出番が全く無い。存在そのものが邪魔なかんじ。
とはいえ、とっとと寝てしまうのもな〜と、私なりに片付けをしたり洗濯したりしていると、眠そうな私の顔を見るたびに、息子が「もう寝てくれていいよ。」「早く寝なよ‥‥。」と気遣ってくれる。
いやはや・・・・全く持って面目ない。お先に失礼・・・・(pm.11:00)私の1日目が終わった。
この後、男性陣はam.2:00頃まで頑張ってくれていたようだ。実は息子は3日は明け方まで眠れなかったと言う事で超寝不足、さすがに「もうダメだ、そろそろ寝るよ・・・・」と言い残し、布団に入ってほんの数分後ドロのように眠ってしまった。
8月4日(第2日目)
前日早めに寝た私はさすがに早く目が覚めた。息子は風に揺れたカーテンが、顔にあたっているのも気付かないで、よく眠っている。相当疲れたんだね・・・・。
am.5:00という事もあり、静かに出来る作業として娘の部屋の飾り物等を1枚1枚はがしたり(自分で描いたイラスト等が所狭しと貼ってある。)昨日片付けきれなかった荷物の箱詰めをしていた。
息子も娘もなかなか起きてこないので、午前中主人と私はいつもの休日とほぼ変わりなく(サイクリングはしなかったけれど)図書館へ行ったりお買い物をしたりした。家の中は部屋移動の真っ最中だ、ということをうっかり忘れてしまいそうだ。
帰ってから、主人は昼食を息子はブランチを食べた後、昨日の続きの作業にいそしんでくれる。私は力仕事には全然役に立たないので、雑巾を持ってひたすらあちこち拭いて回り、娘の荷造りを頑張って仕上げた。時々息子が仕切っている声が聞こえてくる。主人も無意識に「ハイハイ」なんて仕切られてるし・・・・。なんともほほえましい。
のんきな事この上ないのが娘である。いつものペースを何らくずさず、平常と全然変化が無いのは私以上だ。
作業の合間に夕食を取り、月曜日の仕事に差し支えないようpm.10:00頃にはしっかり作業を終えお疲れ様の主人には本当に感謝♪子ども達の突然の突拍子もない願いをあっさり承諾し、昼間さぼり気味の娘にもイヤな顔ひとつせず、全ての事に寛容で、協力的に頑張ってくれた。
さて、この頃、息子も新しく自分の部屋になった元娘の部屋で、ほぼ思い通りに家具が並び後は細々した物(本など)を元の位置に戻すのみとなって、ホッと一安心。十分すぎるほどの力仕事の後の心地良い疲れと嬉しさを存分に味わいつつ、「残りは明日、ボツボツやるよ・・・・。」とテレビを見てゆったりとしていた。
忙しいのは女性陣。昼間大まかに主人と私によって箱詰めされた娘の荷物のお片付け。彼女1人では途方に暮れそうなので、手伝った。「これはこの棚に入れて・・・・。」「これ、お母さんいる?」「これは、もう捨てよう。」と、ゴミと必要な物を別ける作業。・・・・なんと、ほとんどがゴミ!
子ども達の様々な荷物のうち、半分だけが残った。と言ってもいいぐらいだ。残りの半分のうち1/3可燃ゴミ・1/3不燃ゴミ・1/3古紙などのリサイクル物(この中には本も含まれる)量にすると、可燃ゴミ30Lゴミ袋6袋・不燃ゴミ同6袋・本8束・プリント5束そして、カーペット1枚。おみごと!
この2日間で、自分に出来る作業は全て終わった主人はお風呂に入り、チョット伸びかけていた耳の所の髪をレザーカッターで切りそろえていた。それを見た息子曰く「こんな時でもやるか・・・・」
主人は思った。
(ほぼいつもの休日を送りつつ、部屋の大移動が出来てしまったなぁ。子ども達も随分成長したなぁ。特に息子は力もついて、男らしくなったもんだ。この2日間アイツとは、本当に良く話したなぁ。死んだオヤジの事、俺の子どもの時の事、そして親になっての今の事・・・・。こんなに色んな話、した事あったかなぁ〜。いや〜いい汗かかせてもらったな。)
息子の成長っぷりに感動しつつ、もうひとつ考えた。
(この引越し作業の事、『二人三脚』に載せてもらえないかなぁ〜。)
私の引越し作業はこの二人三脚を書き終えた時、やっと終わった。(笑)
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