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> 二人三脚 2002年 > 第25号(7月19日)
人間誰しも楽しいことは大好きだ。できれば死ぬまで楽しいことだらけで、楽しいことに囲まれていたい。(まさか私だけ・・・?)
私が子どもだった頃、勉強なんかやりたくないし、面倒くさい事は嫌いだし、宿題や様々な課題が与えられると、グズグズ言っていた。
せっかくの夏休みも、暑くて勉強に集中できないから休みになっているのに『夏休みの友』なるドリル、読書感想文に絵日記に工作、その他プリント類と今思い返してみても、ゾッとするほどの課題の山。
いやでいやで、憂鬱この上ない。どこかへ行きたい、ゴロゴロし続けたい、夜更かしもしたい、お祭り、花火とやりたいことは、これも山盛り!!
そんな私に母は、
「そうやってツライ事、キツイ事を乗り越えると、楽しいことがもっと楽しくなるよ。楽しいことばかりじゃ、そんなに心から楽しい!とは思えなくなるよ。」と言っていた。
私は(そんなことあるもんか、楽しいことは楽しいよ。別にキツイ事を体験しなくても充分楽しめるよ。)と思ってみたり、
(いや・・・、楽しいことが半減してもキツイ事は無い方がいい。)と思ってみたり、
つまり楽しいことだらけの毎日を送りたいんだと思っていた。
先日子ども達がテスト前で、それなりに勉強なるものをしなければならず、「頑張れ」と言う替わりに
「お母さんも勉強が嫌いでグズグズ言ってると『楽有れば苦有り、苦有れば楽有り。キツイ事をあじわったら、楽しいことが何倍にも楽しく感じるよ』ってお母ちゃんから言われたなぁ〜、でもまぁえらそうに言ってるけど、お母さんだって楽しい事だらけがいいと思ってたし、今も思ってるけどね。」
と子どもの頃の話をした。
子ども達は黙って聞いてくれている、私は(よしよし・・・頑張って!)と心の中で励ましたつもりになっていた。
すると、娘の鋭い突っ込みが入った。
「お母さんの場合“楽な事”なんじゃないの?」
なんとも的を(的のど真ん中をみごとに)射た突っ込み・・・
一瞬声が出なかった、かわすことも、ボケルことも、すっかり忘れフリーズ・・・。納得も納得!今まで自分でも気付かなかったけれど、私は楽しいことに囲まれていたい以上に、楽な事に囲まれていたいのだった。
それにしてもこの娘、ただ者じゃないなぁ・・・。
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